つらい便秘を解消するため、すぐに下剤に頼りたくなる気持ちは分かりますが、その前に、日々の生活習慣を見直すことで、改善できることはたくさんあります。薬はあくまで補助的な手段と考え、まずは、自分の体自身が持つ「出す力」を、最大限に引き出す努力をしてみましょう。まず、最も基本的で重要なのが「適度な運動」です。透析患者さんは、体力の低下や治療による疲労感から、どうしても運動不足になりがちです。しかし、体を動かさないと、腸の蠕動(ぜんどう)運動(便を押し出す動き)も弱まってしまいます。激しい運動は必要ありません。天気の良い日に、無理のない範囲でウォーキングをする、透析のない日に、ラジオ体操をする、あるいは、椅子に座ったままできる足踏みや腹筋運動をするだけでも、腸への良い刺激となります。次に、「排便習慣」を身につけることも大切です。特に、朝食の後が、最も便意が起こりやすいゴールデンタイムと言われています。毎朝、決まった時間にトイレに座る習慣をつけ、便意がなくても焦らず、5分程度リラックスして過ごしてみましょう。これを繰り返すことで、体が排便のリズムを思い出し、自然な便意が起こりやすくなります。また、「お腹のマッサージ」も、直接的に腸を刺激する効果的な方法です。仰向けに寝て、おへその周りを、ひらがなの「の」の字を書くように、時計回りに、ゆっくりと、やさしくマッサージします。両手で、お腹の左右から、便を押し出すようなイメージで圧をかけるのも良いでしょう。さらに、意外に見落としがちなのが「ストレス管理」です。腸の働きは、自律神経によってコントロールされており、精神的なストレスは、腸の動きを悪くする大きな原因となります。趣味に没頭する時間を作ったり、ゆっくりと入浴したりして、心身ともにリラックスする時間を意識的に作ることも、健やかなお通じに繋がるのです。
薬に頼る前に試したい、生活習慣の改善策