制限の中でできること、食事で便秘を改善する工夫
透析患者さんの便秘対策は、水分とカリウムという厳しい制限の中で、いかにして便通を促す食事を組み立てるかという、非常に高度なパズルに似ています。しかし、工夫次第で、食事から便秘を改善することは十分に可能です。まず、鍵となるのが「食物繊維」の賢い摂り方です。カリウムの多い生野菜や果物は避けなければなりませんが、食物繊維は、きのこ類や海藻類にも豊富に含まれています。また、野菜の中でも、キャベツやレタス、きゅうり、もやしなどは、比較的カリウムが少ないため、茹でこぼしなどの下処理をすれば、食事に取り入れやすくなります。特に、野菜を細かく刻んで茹でることで、カリウムを減らしつつ、食物繊維を効率的に摂取できます。次に、主食を見直すことも有効です。白米に、食物繊維が豊富な「オリゴ糖」を少量加えて炊いたり、治療用特殊食品として販売されている「低たんぱく米」の中には、食物繊維を強化したものもあります。また、「油」を適度に摂ることも、便の滑りを良くし、排便を助ける効果が期待できます。炒め物や和え物などに、オリーブオイルやごま油を少し加えることを意識してみましょう。さらに、「乳酸菌」や「ビフィズス菌」といった善玉菌を多く含む、ヨーグルトや乳酸菌飲料も、腸内環境を整える上で役立ちます。ただし、ヨーグルトはリンやカリウムも含むため、無糖・無脂肪のものを選び、食べる量については、必ず管理栄養士に相談してください。これらの食事の工夫は、自己判断で行うのではなく、必ず、毎月の血液検査のデータを見ながら、病院の管理栄養士と相談し、自分に合った、安全で効果的な方法を見つけていくことが、何よりも大切です。