透析災害時アクションカードが、災害時にその真価を発揮するためには、中身が空白では意味がありません。その中核をなす最も重要な情報が、あなた自身の詳細な「医療データ」です。災害時には、いつも通っているクリニックではなく、別の病院や、臨時に設置された救護所などで透析を受けることになる可能性があります。その際、初めて会う医療スタッフが、あなたの体の状態を全く知らないまま、安全で適切な透析治療を行うことは不可能です。アクションカードに記載された正確な医療データこそが、あなたの命を繋ぐための、唯一無二のカルテ代わりとなるのです。まず、氏名、生年月日、血液型、住所、緊急連絡先といった基本情報は必須です。そして、最も重要なのが、通院している透析施設名と連絡先、そしてあなたの「透析条件」です。具体的には、透析終了時の目標体重である「ドライウェイト(DW)」、使用しているフィルターの種類である「ダイアライザー」、1回あたりの「透析時間」、血液が固まらないように使う「抗凝固薬の種類と量」などが含まれます。これらの情報がなければ、適切な除水量や治療設定ができず、安全な透析は行えません。さらに、腕のどの部分に、どのような種類の「シャント」があるかという情報も、穿刺をスムーズに行う上で不可欠です。また、糖尿病や心臓病といった「基礎疾患」の有無や、降圧薬や血糖降下薬など、毎日「服用している薬」の種類と量も、全身状態を把握するために極めて重要な情報となります。これらの詳細な医療データを、日頃から主治医や透析施設のスタッフに協力してもらい、アクションカードに正確に記入し、常に最新の状態に更新しておくこと。それが、災害という混乱の中で、あなた自身が最高の「医療情報提供者」となり、命を守るための最善の治療を受けるための、最も確実な備えなのです。
カードに書くべき最重要情報、あなたの「医療データ」