透析患者さんの高カリウム血症の管理は、食事療法が基本中の基本です。しかし、食事のコントロールだけでは、どうしても血液中のカリウム値が目標範囲内に収まらない場合や、合併症のリスクが非常に高い場合には、医師の判断で「カリウム吸着薬」という薬が処方されることがあります。この薬は、食事療法が不要になる魔法の薬ではなく、あくまで食事療法を補助し、その効果を補強するためのものです。カリウム吸着薬は、主に「イオン交換樹脂」と呼ばれる成分でできており、口から服用すると、胃や腸の中で、食べ物に含まれるカリウムイオンと、薬が持っているナトリウムイオンやカルシウムイオンとを交換します。そして、カリウムをがっちりと捕まえたまま、便と一緒に体の外へ排出してくれるのです。これにより、腸管から体内にカリウムが吸収されるのを防ぎ、血液中のカリウム濃度の上昇を抑える効果が期待できます。この薬の効果を最大限に発揮させるためには、「飲むタイミング」が非常に重要です。食事と一緒に摂ることで、食べ物の中のカリウムと効率よく接触できるため、通常は「食直前」または「食直後」に服用するように指示されます。飲み忘れたからといって、食後かなり時間が経ってから飲んでも、あまり効果は期待できません。また、この薬の主な副作用として「便秘」があります。薬が腸内の水分を吸収するため、便が硬くなりやすいのです。便秘が悪化すると、腸閉塞などの重篤な状態を引き起こす可能性もあるため、水分摂取の範囲内で工夫したり、医師に相談して便秘薬を処方してもらったりといった対策が必要です。カリウム吸着薬は、医師の厳格な管理のもとで使われるべき薬です。自己判断で量を増やしたり、飲むのをやめたりすることは絶対にせず、食事療法と両輪で、正しく付き合っていくことが大切です。
薬との付き合い方、カリウム吸着薬とは