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  • ドライウェイトが高すぎる時の危険信号(むくみ・高血圧)

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    ドライウェイトの設定が、実際の理想的な体重よりも「高すぎる」場合、それは、毎回の透析で、体内に溜まった余分な水分を、完全に取り除ききれていない「引き残し」の状態が、慢性的に続いていることを意味します。この状態は、自覚症状が少ないまま静かに進行し、長期的には心臓や血管に深刻なダメージを与えてしまう、非常に危険なサインです。ドライウェイトが高すぎる場合に現れる、代表的な兆候をいくつか知っておきましょう。まず、最も分かりやすいのが「浮腫(ふしゅ)」、いわゆる「むくみ」です。特に、足のすねや甲を指で強く押したときに、凹んだ跡がなかなか元に戻らない場合は、皮下組織に余分な水分が溜まっている明確な証拠です。また、朝、顔が腫れぼったい感じがするのも、むくみのサインの一つです。次に、「持続的な高血圧」も重要な兆候です。体内の水分量が増えると、血液の全体の量が増加するため、血管の壁にかかる圧力が高くなり、血圧が上昇します。降圧薬を飲んでいるにもかかわらず、透析後も血圧がなかなか下がらない、あるいは、だんだんと薬の量が増えていくといった場合は、ドライウェイトが高すぎる可能性を疑う必要があります。さらに、症状が進行すると、「息切れ」や「呼吸困難」が現れてきます。これは、余分な水分が肺に溜まったり(肺うっ血)、心臓のポンプ機能が低下したり(心不全)している危険なサインです。横になると咳き込んだり、息苦しくなったりする場合は、特に注意が必要です。これらの症状を客観的に評価するために、定期的に撮影される胸部レントゲン写真での「心胸郭比(CTR)の増大」も、重要な判断材料となります。心臓が水分過多で負担を受け、風船のように大きくなっている状態を示しています。これらのサインを見逃さず、早期にドライウェイトの見直しを行うことが、心不全などの重篤な合併症を防ぐために不可欠です。