日本の透析患者の9割以上を占めるのが、「血液透析」を受けている人々です。彼らの生活は、週3回、例えば月・水・金曜日や、火・木・土曜日といった、規則正しいリズムで刻まれています。この週3回の通院が、彼らの生命を維持するための、何よりも優先されるべきスケジュールとなります。透析のある日、患者さんは指定された時間に病院やクリニックへ向かいます。到着後、まず行うのが体重測定です。前回の透析終了時から、今回までに増えた体重は、そのほとんどが体内に溜まった余分な水分です。この体重増加分を正確に測り、今日の治療でどれだけの水分を取り除くか(除水量)を決定します。その後、透析室のベッドに横になり、腕に作られた「シャント」と呼ばれる、透析専用の血管の出入り口に、2本の太い針を刺します(穿刺)。この穿刺の痛みは、多くの患者にとって、治療のたびに乗り越えなければならない、肉体的・精神的なハードルです。穿刺が完了すると、血液ポンプが作動し、血液が体外の回路へと引き出され、「ダイアライザー(人工腎臓)」というフィルターで浄化され、再び体内に戻されていきます。この治療は、1回あたり4時間から5時間に及びます。その間、患者さんはベッドの上で、読書をしたり、テレビを見たり、仕事をしたり、あるいは睡眠をとったりして過ごします。治療中は、急激な除水による血圧低下や足のつりといった、様々な副作用が起こる可能性があり、医療スタッフが常に状態を監視しています。治療が終了し、止血を確認して帰宅した後も、倦怠感や疲労感に襲われることが少なくありません。この週3回のサイクルを、生涯にわたって繰り返していく。それが、血液透析患者の日常の、紛れもない現実なのです。