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2026年1月
  • 動脈と静脈の出会い、「内シャント」の仕組み

    生活

    バスキュラーアクセスの中で、最も標準的で、第一選択として作られるのが「内シャント」です。これは、患者さん自身の血管だけを使って作られる、最も体に優しく、長持ちしやすい血液の出入り口です。その仕組みは、比較的簡単な外科手術によって、皮膚の下で「動脈」と「静脈」を直接つなぎ合わせるというものです。通常は、利き腕とは反対の腕の手首の近くで行われます。私たちの腕には、心臓から送り出される圧力の高い血液が勢いよく流れる「動脈」と、体の各部から心臓へゆっくりと血液が戻る「静脈」が、並行して走っています。手術では、この隣り合った動脈と静脈の壁にそれぞれ小さな穴を開け、両者を糸で縫い合わせます。すると、圧力の高い動脈血が、バイパスのように静脈側へ大量に流れ込むようになります。もともと穏やかな血流しかなく、壁も薄かった静脈は、この勢いの良い動脈血が流れ込んでくることで、内側からの圧力によって、時間とともに自然と太く、壁も丈夫に発達していきます。この、動脈血が流れることによって太く成長した静脈が「シャント血管」です。通常、手術から数週間から1ヶ月以上かけて、シャント血管が透析の穿刺に耐えられるくらい十分に成熟するのを待ちます。そして、この発達したシャント血管に、透析のたびに2本の針を刺し、1本から血液を体外へ取り出し、もう1本から浄化された血液を体内に戻すのです。自分の血管だけを使うため、異物反応の心配がなく、感染にも強く、長期的に安定して使用できる可能性が高いことから、内シャントはバスキュラーアクセスの「ゴールドスタンダード」と位置づけられています。