透析を始めて半年が過ぎた頃から、私は頑固な便秘に悩まされるようになりました。週に一度、下剤を使って無理やり出すのがやっとで、常にお腹が張って重苦しく、大好きなご飯も美味しく感じられなくなっていました。透析中の血圧も不安定になりがちで、看護師さんから「便秘が影響しているかもしれませんね」と指摘されたのが、本気で向き合おうと決めたきっかけです。まず、病院の管理栄養士さんに相談しました。私の食事記録と血液データを見ながら、先生は「カリウムを怖がりすぎて、食物繊維が極端に不足していますね」と指摘。そして、もやしやキャベツをたっぷり使った「茹で野菜スープ(汁は飲まない)」や、きのこと海藻を使った常備菜のレシピを教えてくれました。正直、最初は半信半疑でしたが、言われた通りに食事を変えてみると、数週間後、少しずつ便が柔らかくなってきたのを感じました。次に、理学療法士さんに、ベッドの上でもできる腹筋運動と、お腹のマッサージの方法を教わりました。透析のない日は、意識して近所を30分歩くようにもしました。そして、毎朝、朝食後にトイレに座る習慣をつけました。焦らず、新聞を読みながらリラックスする時間。最初のうちは何も起こりませんでしたが、2週間ほど続けたある朝、本当に久しぶりに、自然な便意が訪れたのです。その時の安堵感と喜びは、今でも忘れられません。もちろん、今でも時々、便が出にくい日はあります。そんな時は、主治医に処方してもらった頓服の下剤を、指示通りに服用します。でも、以前のように薬に頼りきりではありません。食事と運動、そして生活リズム。この三つの柱で、自分の「出す力」をサポートするという自信がつきました。便秘との戦いは、地道な努力の連続です。でも、自分の体と向き合い、医療チームと相談しながら、一つひとつ工夫を重ねていくことで、必ず道は開けるのだと、私は自身の経験から確信しています。
ある患者の奮闘記、「出す力」を取り戻すまで