では、実際に1回の血液透析には、どれくらいの診療報酬点数、つまり医療費がかかっているのでしょうか。その総額は、患者さんの状態や治療内容によって異なりますが、一般的には、1回の透析あたり約3万点、医療費にして約30万円、これを月に12〜13回行うと、1ヶ月の総医療費は400万円近くにも上ります。この驚くほど高額な点数の内訳は、いくつかの項目に分かれています。まず、最も大きな割合を占めるのが、「人工腎臓」の項目です。これには、透析治療そのものの技術料である「J038 人工腎臓」の点数が含まれます。この点数は、透析時間(4時間未満、4時間以上5時間未満、5時間以上)に応じて、時間が長いほど高く設定されています。これに加えて、血液をきれいにするフィルターである「ダイアライザー」の費用、血液を体外循環させるための「血液回路」の費用も、この項目に含まれます。次に、透析治療に不可欠な「薬剤」の費用が加算されます。例えば、腎臓の機能低下によって引き起こされる貧血を改善するための「エリスロポエチン製剤」や、骨の健康を保つためのビタミンD製剤などがこれにあたります。さらに、透析施設の体制や、提供される医療の質を評価する「加算点数」も重要です。例えば、透析液の清浄度を非常に高いレベルで管理している施設に与えられる「透析液水質確保加算」や、十分な数のスタッフを配置し、患者への指導管理を丁寧に行っている場合に算定できる「透析患者指導管理料」などがあります。これらの点数が全て合算されて、1回あたりの透析治療の総点数が決まるのです。この複雑な点数体系は、透析医療のコスト構造を反映すると同時に、より質の高い医療を推進するための、国からのメッセージでもあるのです。