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2026年2月
  • ドライウェイトは健康のバロメーター、共に目指す「最適値」

    医療

    これまで見てきたように、透析患者さんのドライウェイトは、単純な計算式で求められる固定的な数値ではありません。それは、患者さんの身体所見、血圧、レントゲン、血液検査、そして何よりも本人の自覚症状といった、無数の情報を、医療チームが総合的に判断し、まるで職人技のように、時間をかけて微調整しながら見つけ出していく、その人だけの「オーダーメイドの最適値」です。そして、その最適値は、一度決まったら終わりではなく、その後の体重の増減や体調の変化に応じて、常に変化しうる、ダイナミックな指標です。このドライウェイトを、いかに正確に、そしてタイムリーに、その時々の最適な状態に合わせていくか。その営みこそが、透析治療の品質そのものであり、患者さんの長期的な健康を左右する、最も重要なプロセスと言えるでしょう。このプロセスは、決して医療者から患者への一方通行のものであってはなりません。患者さん自身が、ドライウェイトという概念の重要性を深く理解し、日々の体重測定や食事管理といった自己管理を徹底すること。そして、自分の体の小さな変化やサインを見逃さず、それを「言葉」にして、医療スタッフと共有すること。この主体的な参加があって初めて、ドライウェイトの管理は、真に精度の高いものとなります。ドライウェイトは、単なる透析の目標体重ではありません。それは、あなたの心臓や血管にかかる負担の度合いを示し、日々の自己管理の成果を映し出し、そして、これからの健康寿命を予測する、まさに「健康のバロメーター」なのです。この重要な指標を、患者と医療者が、同じ目標を見据えるパートナーとして、信頼関係に基づいた「共同作業」で作り上げていく。その先にこそ、合併症の少ない、質の高い、快適な透析ライフが待っているのです。